熊本県議会 > 2019-12-04 >
12月04日-04号

  • "チリ"(/)
ツイート シェア
  1. 熊本県議会 2019-12-04
    12月04日-04号


    取得元: 熊本県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-26
    令和元年11月 定例会               第 4 号              (12月4日)  令和元年   熊本県議会11月定例会会議録     第4号令和元年12月4日(水曜日)  ―――――――――――――――――   議事日程 第4号  令和元年12月4日(水曜日)午前10時開議 第1 一般質問(議案に対する質疑並びに県の一般事務について) 第2 議案等に対する質疑(第1号から第32号まで) 第3 知事提出議案委員会付託(第1号から第32号まで) 第4 請願の委員会付託 第5 休会の件  ―――――――――――――――――本日の会議に付した事件 日程第1 一般質問(議案に対する質疑並びに県の一般事務について) 日程第2 議案等に対する質疑(第1号から第32号まで) 知事提出議案の上程(第33号から第40号まで) 知事の提案理由説明 人事委員会の意見(第40号) 議案に対する質疑(第33号から第40号まで) 日程第3 知事提出議案委員会付託(第1号から第40号まで) 日程第4 請願の委員会付託 知事提出議案の上程(第41号から第56号まで) 日程第5 休会の件    ――――――○――――――出席議員氏名(49人)            前 田 敬 介 君            城 戸   淳 君            本 田 雄 三 君            南 部 隼 平 君            坂 梨 剛 昭 君            荒 川 知 章 君            西 村 尚 武 君            島 田   稔 君            池 永 幸 生 君            竹 﨑 和 虎 君            松 野 明 美 さん            山 本 伸 裕 君            岩 田 智 子 さん            吉 田 孝 平 君            中 村 亮 彦 君            大 平 雄 一 君            髙 島 和 男 君            末 松 直 洋 君            松 村 秀 逸 君            岩 本 浩 治 君            西 山 宗 孝 君            河 津 修 司 君            楠 本 千 秋 君            濱 田 大 造 君            前 田 憲 秀 君            磯 田   毅 君            西   聖 一 君            橋 口 海 平 君            緒 方 勇 二 君            増 永 慎一郎 君            髙 木 健 次 君            髙 野 洋 介 君            内 野 幸 喜 君            山 口   裕 君            早 田 順 一 君            渕 上 陽 一 君            城 下 広 作 君            鎌 田   聡 君            田 代 国 広 君            坂 田 孝 志 君            溝 口 幸 治 君            小早川 宗 弘 君            池 田 和 貴 君            井 手 順 雄 君            吉 永 和 世 君            松 田 三 郎 君            藤 川 隆 夫 君            岩 下 栄 一 君            前 川   收 君欠席議員氏名(なし)  ―――――――――――――――――説明のため出席した者の職氏名     知事     蒲 島 郁 夫 君     副知事    田 嶋   徹 君     副知事    小 野 泰 輔 君     知事公室長  白 石 伸 一 君     総務部長   山 本 倫 彦 君     企画振興部長 山 川 清 徳 君     健康福祉部長 渡 辺 克 淑 君     環境生活部長 田 中 義 人 君     商工観光労働            磯 田   淳 君     部長     農林水産部長 福 島 誠 治 君     土木部長   宮 部 静 夫 君     国際スポーツ            寺 野 愼 吾 君     大会推進部長     会計管理者  瀬 戸 浩 一 君     企業局長   岡 田   浩 君     病院事業            吉 田 勝 也 君     管理者     教育長    古 閑 陽 一 君     警察本部長  小 山   巌 君     人事委員会            出 田 孝 一 君     委員長     監査委員   濱 田 義 之 君  ―――――――――――――――――事務局職員出席者     事務局長   吉 永 明 彦     事務局次長            横 井 淳 一     兼総務課長     議事課長   村 田 竜 二     議事課長補佐 下 﨑 浩 一    ――――――○――――――  午前10時開議 ○議長(井手順雄君) これより本日の会議を開きます。    ――――――○―――――― △日程第1 一般質問 ○議長(井手順雄君) 日程に従いまして、日程第1、昨日に引き続き一般質問を行います。 吉田孝平君。  〔吉田孝平君登壇〕(拍手) ◆(吉田孝平君) 皆さん、おはようございます。自由民主党・宇城市・下益城郡選出の吉田孝平でございます。今回、5回目の質問をさせていただきます。今回が、7項目、7答弁ということで、大変時間が心配されます。初日に質問されました中村議員からも、時間はしっかり守るようにと御指導賜りましたので、早速ではございますが、質問に移らさせていただきたいと思います。 それでは、まず初めに、知事の3期目の評価と今後についてお尋ねします。 さて、9月議会における前川議員代表質問に対しての知事の出馬表明を受け、蒲島県政3期目のこれまでの取り組みの検証や評価などについて、さまざまな報道がなされておりますが、今回、知事御自身の言葉で、みずからの評価及び今後の取り組みについてお聞きしたいと思い、今回質問させていただくことにしました。 さて、熊本地震という逆境から始まった蒲島県政3期目も、いよいよ半年を切り、残り4カ月となりました。 思い返せば、蒲島県政3期目の初日、知事が初登庁された平成28年4月16日は、熊本地震本震発生日で、誰もが経験したことのない甚大な災害が発生し、知事は、公舎から県庁まで走って登庁されたともお聞きしました。今でも、そのときの悪夢のような恐怖を思い出します。 この熊本地震では、4月14日に、前震となる震度7の地震が発生し、誰もが、これが本震だと思っていましたが、その2日後の16日深夜に、また震度7となる本震が発生しました。2日間のうちに同一観測点で2度も震度7が観測されたのは、気象庁の観測史上初めてのことでありました。 知事は、この熊本地震への対応を、みずからの天命であると受けとめられ、みずから先頭に立ち、被災された方々の生活再建と被災地の創造的復興に取り組んでこられました。私たち県議会議員も、県民の皆様方のさまざまな御意見を聞き、県にお伝えさせていただきましたが、知事御自身も、私の選挙区、また、ほかの地域の仮設住宅等に足を運ばれ、被災された方々に寄り添い、御意見を親身になって聞かれる姿が印象に残っております。 このような中、一日も早い復旧、復興を着実に進めるための全県民の道しるべとなる熊本地震からの復旧・復興プランを、発災から約3カ月後の平成28年8月に策定されました。そして、同年12月には、まち・ひと・しごと創生総合戦略と一本化し、蒲島県政3期目の基本方針熊本復旧・復興4カ年戦略を策定されました。これは、知事が、熊本地震に対してスピード感を持って対応したい、また、復旧、復興が3期目の使命であるとの覚悟で策定されたと思います。 この復旧・復興4カ年戦略に基づき、熊本地震からの創造的復興に向け、県庁はもとより、県民、そして私たち県議会も一緒になって取り組んできた結果、最大の課題である住まいの再建を初め、グループ補助金を活用した被災企業の再建支援、被災農家の営農再開など、熊本地震からの復旧、復興は着実に進んでいると実感しています。 私の体験ですが、店舗が被災され、一時はお店をやめるか大変思い悩んでおられた方が、グループ補助金を受け、無事に再建を果たされる姿を目の当たりにしました。再オープンの祝賀会を開くとの御案内を受け、私も参りましたが、その方は大変喜んでおられ、感謝されたのを思い出します。 また、知事が掲げられています創造的復興に共感し、新たな事業にチャレンジされている方もたくさんおられます。この熊本地震での経験などを、風化させることなく、次世代につないでいくことも大事だと思います。 一方、いまだおよそ6,000人の方々が仮設住宅での生活を余儀なくされており、阿蘇へのアクセスルートの回復や益城町の復興まちづくりなども続いています。まだまだ課題が山積していることも事実です。 さて、冒頭にも申し上げましたように、知事は、9月議会における前川議員代表質問に対して、4期目への挑戦を表明されました。これを受け、最近は、これまでの蒲島県政に関する検証や評価について、さまざまな報道を目にする機会がふえましたが、知事御自身のお考えを伺う機会は余りないと感じております。 そこで、今回、蒲島県政3期目について、知事御自身はどのように評価しているのか、お尋ねいたします。 また、少子高齢化人口減少問題等、喫緊の課題を初め、これまでの県政運営での残された課題等について、今後どのように取り組んでいくおつもりか、知事の4期目にかける思いをお尋ねいたします。  〔知事蒲島郁夫君登壇〕 ◎知事(蒲島郁夫君) まず、3期目の評価についてお答えします。 熊本地震本震の日にスタートした蒲島県政3期目も、いよいよ総仕上げの段階です。 私は、地震からの一日も早い復旧、復興を果たし、熊本のさらなる発展につなげることが3期目の使命であると思い定め、これまで全力で取り組んでまいりました。 最重要課題である住まいの再建については、本県独自の6つの支援策の創設などにより、仮設住宅入居者の8割を超える約4万1,000人の方々が住まいの再建を実現されました。 産業の再生では、グループ補助金制度を活用した企業の96.9%が事業を再建されています。また、99.8%の被災農家が営農を再開されました。 創造的復興についても、例えば、阿蘇くまもと空港へのコンセッション方式導入や長年の課題であった空港アクセス改善に向けた鉄道整備に道筋をつけるなど、みずから先頭に立って取り組んでまいりました。 熊本地震で開催が危ぶまれた2つの国際スポーツ大会についても、県民一丸となって取り組み、無事に開催に至ることができました。そして、国内外から熊本を訪れていただいた方々に、復興する熊本の姿や支援に対する感謝の気持ちを発信することができました。 このように復旧、復興が着実に進んでいるのは、県庁職員が挑戦する集団に生まれ変わっていたこと、第2に、県議会を初め、市町村や県民の皆様などの力をチーム熊本として結集できたこと、第3に、国を初め国内外との人的ネットワークから強力な御支援をいただいたことが大きな要因と考えています。 これらの総合力、団結力があったからこそ、熊本地震からの復旧、復興は、他に例を見ないスピードで進んでいます。 次に、4期目にかける思いについてお答えします。 熊本地震からの復旧、復興は、県民の皆様の頑張りにより着実に進んでいます。一方で、いまだ仮設住宅での生活を余儀なくされている方々の最後のお一人まで住まいの再建を実現すること、また、空港アクセス鉄道整備を初めとした創造的復興を実現すること、そして益城町の復興まちづくりなど、残された課題もまだあります。 これからの4年間は、これらの課題を確実に解決し、創造的復興を熊本の発展につなげること、そして深刻化する人口減少に歯どめをかけ、地方創生を実現しなければなりません。さらに、将来に向けた持続可能な社会を目指したSDGsの取り組みも強力に推進していく必要があります。 3期目の任期も残り4カ月ですが、まずは残された課題に全力で取り組み、職責を全うするとともに、50年後、100年後を見据え、よき流れを熊本の未来につなげてまいりたいと思います。  〔吉田孝平君登壇〕 ◆(吉田孝平君) 創造的復興は道半ばでございます。私は、蒲島知事が最後まで務めていただくことが何よりも早道の復興であると思います。これから大変お忙しい日々が続くと思いますが、十分お体には御留意されるようにお願い申し上げ、次の質問に移らさせていただきます。 続きまして、県の温室効果ガス排出削減取り組みについてお尋ねいたします。 初日に、磯田議員から気候変動への対応等について質問がありましたが、私からは、熊本県の温室効果ガス排出量削減取り組みについて質問します。 2018年10月に、国連気候変動に関する政府間パネル、いわゆるIPCCが発表した1.5度C特別報告書によれば、地球の平均気温が産業革命前から1.5度C上昇した場合、健康、生計、食料安全保障、水供給、人間の安全保障及び経済成長に対する気候に関連するリスクは増加し、2度C上昇した場合においては、さらにリスクが増加すると予想されています。 気温上昇を1.5度Cに抑えるためには、人為起源の温室効果ガス排出量を2050年前後には正味ゼロにする必要があるとされていますが、気温は既に0.87度C上昇したと見られ、温暖化が現在の進行速度で進み続けると、2030年から2052年の間に1.5度Cに達する可能性が高いとされています。 ことし9月にニューヨークで行われた国連気候行動サミットでは、77カ国が2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにするとの目標を掲げ、70カ国が2020年までに国としての対策を強化させると表明しましたが、残念ながら、その中に日本は含まれておりません。 また、報道によると、日本政府がこのサミットでの首相演説を要望しましたが、温室効果ガス排出目標の引き上げや、引き上げに相当する新たな取り組みを発表できないということなどを理由に断られていたようでございます。 国は、ことし6月に閣議決定したパリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略においては、2050年までに80%の温室効果ガス排出削減に大胆に取り組むという目標を掲げておりますが、最近の地球温暖化による気候変動の状況や世界各国の取り組みを見ますと、対策をより加速していく必要があると思われます。 そのような中、東京都、大阪府、山梨県、徳島県などは、各自治体単位で、2050年までにCO2排出実質ゼロを目指すとしています。 来年度、現計画である第5次熊本県環境基本計画の改定時期を迎えると聞いておりますが、改定に当たっては、温室効果ガス排出削減について高い目標を掲げていく必要があると考えます。 そこでお尋ねいたします。 本県における温室効果ガス排出削減取り組みについて、知事のお考えをお尋ねしたいと思います。  〔知事蒲島郁夫君登壇〕 ◎知事(蒲島郁夫君) 本県では、2016年2月に策定した第5次熊本県環境基本計画において、県内で排出される温室効果ガスを、2030年度までに、2013年度を起点に30%削減するという目標を掲げています。これは、国の目標である26%削減を上回るものであります。 現在、その目標達成に向けて、再生可能エネルギーの導入と省エネルギーの推進、県民への普及啓発など、各種対策を進めています。 その結果、温室効果ガス排出量は、3年連続で減少し、最新のデータである2016年度は、2013年度から16.1%減と、着実に削減が進んでいます。 特に、エネルギーの面においては、2020年度末において、県内全ての家庭の年間消費量に相当する電力を再エネ導入と省エネで賄うという高い目標を既に前倒しで達成しております。 そうした中、今月2日からスペインで、第25回国連気候変動枠組み条約締約国会議、いわゆるCOP25が開催されています。この会議に先立ち、議長国であるチリは、各国に対し、2050年までのCO2排出ゼロを宣言するよう要請しました。 また、先月、国連は、2018年の世界の温室効果ガス排出量は過去最悪であり、排出が今のペースで進めば、今世紀末には、豪雨、干ばつ、高潮など、破壊的な影響が生じるとの報告書を発表しました。 このように、地球規模での温暖化対策が強く求められる中にあって、議員御指摘のとおり、日本としては、まだ2050年までのCO2排出ゼロ宣言には至っていません。 これまで、国より高い目標を掲げ、再エネ導入や省エネに果敢に取り組んできた環境立県を目指す本県だからこそ、今国に先駆けて声を上げ、CO2排出ゼロに向けた機運を盛り上げることで、国を後押しする必要があると考えます。 本日ここに、熊本県として、2050年までに県内CO2排出実質ゼロを目指すことを宣言いたします。 この極めて高い目標の達成のためには、県民総ぐるみで力を合わせることが不可欠であります。皆さんとともに、持続可能な未来の実現に向けて、しっかりと取り組んでまいります。  〔吉田孝平君登壇〕 ◆(吉田孝平君) 熊本県としてすばらしい目標を掲げていただきました。77カ国が2050年までに温室効果ガス排出実質ゼロにすると目標を表明された中、日本は加わることができませんでした。目標を掲げるということは何よりも重要でありますし、熊本県として、ゼロ目標を掲げていただくことは、知事が言われました、国、また、ほかの自治体、隣接する九州各県にも、大きくCO2排出実質ゼロを目指していただく後押しになると思います。 また、私、先日、宇城市植樹祭に出席させていただきました。森林は、CO2を吸収する地球温暖化防止にも貢献していますので、このような森林等を管理していくことも大変重要でございます。県民一人一人が、この問題を理解し、実践していくことが一番重要だと思いますので、実質ゼロに向けて取り組んでいきましょう。 それでは、続きまして、次の質問に移らさせていただきます。 宇城地域基盤整備についてお尋ねいたします。 宇城地域は、熊本県の中央に位置し、東西に約50キロメートルと長く、半島部や九州山地に連なる中山間部、それに挟まれるように位置する平野部で構成され、それぞれの地形条件に応じて農業生産活動が展開されています。 地域の主要農産物のうち、野菜では、トマトやメロン、キュウリ、ナス、イチゴ、アスパラガス、ショウガ、レンコンなどが県内でも上位の生産量を上げています。次に、かんきつ類では、温州ミカンや不知火類の高品質果実の生産等で市場から高い評価を得ています。また、切り花では、主力品目の宿根カスミソウが全国有数の産地を形成しているところであります。 しかしながら、宇城地域においては、平成17年度から平成27年度までの10年間で、基幹的農業従事者が約20%減少し、農業従事者の年齢構成についても、65歳以上が55%を超えるなど、農業従事者の減少や高齢化は進んでいる状況です。 地域の基幹産業である農業の活力低下は、農業分野ばかりではなく、ひいては地域社会の衰退につながることから、農業所得の向上による農業経営の安定は、喫緊の課題であります。 これらの課題を解消するには、担い手への農地集積や農作業の省力化、効率化が必要であり、その下支えとなる基盤整備は非常に有効な手段であります。さらに、基盤整備を行っていないと、農地の借り手も見つからない状況であります。 平成27年度完了の豊川南部地区基盤整備では、関係農家の方々から、区画が拡大され作業効率が向上した、道路が広くなって機械の大型化が図れた、水管理が容易になったなどの事業効果を喜ぶ声が上がっており、こうした流れを受け、隣接する約800ヘクタールの農地においては、区画整理と排水機場を新設する国営事業を要望中であります。 また、平成18年度完了の大口地区基盤整備では、防風林ではなく防風ネットで整備することで、日照不足の解消や維持管理の省力化が図られるなど、先進的な取り組みであったと聞いています。それを受けて、隣接する大口西部地区は、平成28年度から基盤整備に着手したところであります。 このように、宇城地域においては、基盤整備による効果が発現する中にあって、三角町の里浦地区戸馳地区基盤整備に向けた地元要望が上がっています。里浦地区では、認定農業者や既に後継者が就農している農家がいるのですが、慢性的な用水不足や、区画形状が複雑で、かつ狭小のため、作業効率の低さが地域営農の課題となっています。戸馳地区では、区画形状が狭く、地下水位が高く、畑作利用などの農地の汎用化が図られていないことなどが地域営農の課題となっています。 これらの課題を解消し、稼げる農業や後継者育成につなげていくために、今後の宇城地域基盤整備取り組みについて、農林水産部長にお尋ねいたします。  〔農林水産部長福島誠治君登壇〕 ◎農林水産部長(福島誠治君) 宇城地域は、議員御指摘のとおり、中山間部や平野部など地形の変化に富んだ地域であり、異なる立地条件を生かした多彩な農業生産が展開されています。したがって、県としましても、それぞれの特色を考慮した基盤整備を進めていくことが大変重要であると考えております。 現在実施しております県営大口西部地区は、隣接の大口地区を参考に、樹園地の整備を行うこととしており、耕作放棄地化した干拓地を活用するという県内で初めての取り組みであります。傾斜した樹園地と比べ、労働時間が3割削減されることもあり、従来の傾斜地での栽培に加えて規模拡大を目指す若手農家に農地を集積し、ハウス栽培による高品質なデコポン等の生産を行う予定となっております。 また、地元から要望の上がっている里浦地区戸馳地区の2地区につきましては、来年度に事業化に向けた基礎調査を行う予定であり、その中で、地元のニーズを把握しながら検討を進めてまいります。 県としましては、今後の宇城地域基盤整備につきましては、大口西部地区と同様に、地域の地形条件営農計画、さらには担い手育成なども考慮しながら、稼げる農業につながるきめ細やかな基盤整備に取り組んでまいります。  〔吉田孝平君登壇〕 ◆(吉田孝平君) 戸馳地区里浦地区と、来年度には事業化に向けて基礎調査を行っていただくということで、大変感謝しております。ただ、地元の熱意や同意がこれからの課題でありまして、大変重要になってまいります。このチャンスを生かすためにも、県からの御指導等をよろしくお願いいたします。 また、大口西部地区に関しましては、現在施工中ではありますが、完成までには5~6年かかる計画であります。後継者、担い手のためにも、計画どおり進捗していくことをお願いいたしまして、次の質問に移らさせていただきます。 続きまして、農業用排水機場についてお尋ねいたします。 宇城地域農業生産を支える重要な施設として排水機場があります。排水機場は、農地の湛水の防止や地下水位を低下させることによる農地の汎用化を図ることを目的に設置されています。 私の地元の宇城市でも、昭和40年代から排水機場の整備が進み、低平地の干拓農地でも湛水被害が減少しました。そればかりか、排水機場の整備を行うことで、それまでは水稲作付が中心の営農でしたが、排水機場により地下水位の低下が図られたため、農地が汎用化され畑作が可能となったことで、トマトやメロンなどの施設園芸が展開されるようになりました。 これは宇城地域に限ったことではありません。県全体に目を向けると、玉名、熊本、八代などにおける干拓地でも同様に排水機場の整備が進められ、これらの干拓地でも施設園芸が展開されることとなりました。 その結果、本県における施設園芸面積は、約4,600ヘクタールとなり、全国の施設園芸面積の約1割を占め、全国1位となっています。生産量でも、トマトが1位、ナスが2位、メロンが3位など全国で上位を占め、本県の稼げる農業に多大なる貢献をしています。 また、排水機場は、農地の湛水被害の防止等だけでなく、人家や公共施設などの浸水被害も防止しており、農業だけでなく、地域にとって非常に重要な施設となっています。 これまで排水機場の整備を進めてきた結果、県内の機場数は、現在167となっています。しかし、これらの排水機場の中には、建設後相当年数がたったものも多く、老朽化や故障などにより、排水機能が低下あるいは停止すれば、地域に多大な被害が生じることが懸念されております。 このことは宇城地域においても同様で、今後更新整備を行う必要がある排水機場が多く、私の地元でも、一刻も早く更新整備に取りかかってもらいたいという声が上がっております。 豊川北部地区においては、本年6月30日から7月2日にかけての豪雨の際に、更新整備した排水機場が稼働されたおかげで、135ヘクタールの農地の湛水被害を防止することができ、地元農家から大変感謝されました。 このように、県では排水機場の更新整備を進めているということは承知していますが、昨年発生した平成30年7月豪雨やことしの台風19号による災害など、全国各地で過去に例を見ない豪雨災害が発生しております。このため、本県においても、いつ発生してもおかしくない状況と言えます。 そのため、本県においては、排水機場の更新整備は非常に重要な事項と考えられます。特に排水機場の更新整備においては、多大な事業費と長期の事業期間が必要です。 そこで、今後の県の排水機場の更新整備について、農林水産部長にお尋ねいたします。  〔農林水産部長福島誠治君登壇〕 ◎農林水産部長(福島誠治君) 排水機場は、施設園芸が盛んな本県の農業生産を支えるとともに、周辺の人家や道路、公共施設などの浸水被害を防止するためにも大変重要な施設であります。 議員御紹介のとおり、本県の排水機場は167ありますが、そのうち約4割が、既に建設後30年以上を経過しております。これらの更新整備が滞れば、農業生産はもとより、農村生活への影響も懸念されます。 そこで、県では、老朽化の状況、背後地の営農状況、さらには、関係する市や町の意向などを総合的に考慮し、今後計画的に更新整備を進めていきたいと考えております。そして、これに必要な予算を安定的に確保できるよう、国に強く要望してまいります。 あわせて、日常の点検整備や部分的な補修による長寿命化対策も重要と考えております。県としましては、管理者である市や町などの維持管理に対して、これまで以上に技術的支援に努めてまいります。  〔吉田孝平君登壇〕 ◆(吉田孝平君) 私、前回の質問で、不知火町長崎地区における農業基盤整備と浸水対策についてお尋ねをさせていただきました。 この長崎地区は、毎秒6トンの能力を有する長崎排水機場が設置されていますが、国営事業になると、また新たに大規模な排水機場の設置が必要ということで、全体のバランスから見て、コストが著しく大きくなることから、除外せざるを得なくなりまして、地元の方は非常に落胆されています。現在ある排水機場は、約30年が経過しておりまして、また、毎秒6トンの能力では、近年の降雨量を見ると、冠水被害を防止できていないのが現状であると考えられます。 また、全国の豪雨災害を受けて、現在、国営事業においては、降雨基準の制度拡充を要望していると聞いております。県でも、このような動きを念頭に置きまして、今後の更新整備を進めていただきたいと思います。 それでは、次の質問に移らさせていただきます。 健康寿命の延伸に向けた特定健診等の推進についてお尋ねいたします。 今や人生100年時代と言われ、熊本県が目指す生涯現役社会の実現に向けては、これを支える健康づくりが欠かせません。 本県は、全国有数の長寿県ですが、この場合の指標として、平均寿命によりランキングが決定されていると思われている方が多いと思います。しかし、実際には、国においては、平均寿命とともに、健康寿命によるランキングもあわせて発表されています。 健康寿命とは、健康上の問題がない状態で日常生活を送ることができる期間と定義されています。それぞれ最新のデータでは、本県の平均寿命と健康寿命との間には、男性で約9年、女性で約13年の差があります。この差は、言いかえれば、介護などを要する期間ということであり、これをできる限り短縮していく取り組みが求められています。 国においても、いわゆる団塊ジュニア世代が高齢者となり、高齢者人口がピークを迎える一方、現役世代が急激に減少する2040年を展望し、誰もがより長く元気に活躍できる社会の実現を目指して、健康寿命の延伸を取り組みの柱の一つに据え、2040年までに健康寿命を男女ともに3年以上延伸し、75歳以上にすることを目標とした健康寿命延伸プランを本年5月に示されています。 本県においても、現在、第4次くまもと21ヘルスプランに基づき、生活習慣の改善に向けた取り組みとして、くまもとスマートライフプロジェクトが進められています。 具体的には、適度な運動、適切な食生活、禁煙、歯と口腔のケア、十分な睡眠、そして特定健診やがん検診の受診といった6つのアクションを県民全体に広げようと取り組まれています。 特に、適度な運動に関しては、ウオーキングを広く普及するために、くまモンが励ましてくれる歩数計アプリを開発するとともに、年明けの1月には、県民を対象としたウオーキングキャンペーンを企画するなど、力を入れて取り組まれているところです。 また、ウオーキングだけでなく、筋力の低下防止を目的としたくまもと筋肉貯金体操も本年度新たにつくり、10月の健康づくり県民会議で披露し、ホームページで公開するなど、この普及にも取り組まれています。 運動を含む6つのアクションは、いずれも大事なものですが、この6つのアクションの中でも、とりわけ私は、特定健診やがん検診の受診が重要ではないかと思っています。私も、来月、人間ドックを受診する予定でございます。 高血圧や高血糖、さらにがんなど、生活習慣病は、自覚症状のない病気が多く、日ごろから生活習慣の改善に取り組んでいない人はもちろん、運動や適切な食生活を心がけている人についても、ややもすると病気が相当進行してから病院で診断を受け、治療に至るということがあります。 健診による病気の早期発見、早期治療は、身体的な負担の軽減のみならず、生活の質の維持のためにも重要であり、健康寿命の延伸にもつながるものと考えます。そして、県民全体で健診による早期発見、早期治療が徹底されるようになれば、医療費の適正化にもつながるのではないかと思います。 特定健診の実施は、医療保険者の義務となっています。また、がん検診は、実施主体である市町村などが広報誌などを活用して受診を住民に呼びかけています。 しかし、本県の特定健診の受診率は、46.7%と、国、県の目標である70%に遠く及ばず、また、全国平均51.4%よりも低い状況です。さらに、がん検診の受診率についても、国の目標値50%を超えているのは、男性の胃がん検診のみにとどまっている状況です。 このように、受診率が伸びない大きな理由の一つは、受ける時間がないとか、たまたま受けていないなど、健診の必要性を十分に理解していない無関心層や関心の低い人たちが多いことから、受診に結びついていないことが考えられます。 県としては、これら無関心層への働きかけを強化して、特定健診とがん検診のさらなる受診率の向上を図る必要があると考えます。 そこで質問ですが、特定健診やがん検診の受診率向上に向け、特に無関心層への対応について、県としてどのように取り組んでいくのか、健康福祉部長にお尋ねいたします。  〔健康福祉部長渡辺克淑君登壇〕 ◎健康福祉部長(渡辺克淑君) 本県が目指している長寿で輝くくまもとの実現には、健康寿命の延伸が不可欠であり、県民一人一人がみずからの健康状況を把握し、生活習慣の改善につなげていくことが重要です。 このため、県では、特定健診やがん検診の受診率向上に向け、医療保険者や市町村と連携して、健診の重要性について啓発を行ってきました。その結果、県全体の特定健診の受診率は、少しずつ向上し、平成28年度においては、平成20年度の制度開始時に比べ、約10ポイント高くなっております。 しかしながら、議員御指摘のとおり、受診対象者の約半数が未受診という状況であり、これを改善するため、県では、健康への関心度が低い無関心層対策として、健診を受診しない理由に着目した取り組みを行っています。 まず、受診が面倒だなど、健診受診の動機づけが必要な方に対しては、受診したくなるようなメッセージを届けることが効果的です。 このため、例えば、対象者への案内の中に、9,000円の健診が1,000円で受けられますなどのメッセージを盛り込み、受診しないともったいないと感じてもらうなど、無意識に受診選択を促す仕掛け、いわゆるナッジ理論を活用した受診勧奨を普及する研修に取り組んでいるところです。この研修を参考に、平成30年度から健診の案内通知を工夫している玉名市、小国町、湯前町の3市町では、前年度に比べて約4ポイント受診率が向上しています。 また、健診場所や時間の関係で都合がつかないとの理由で先延ばしにしている方に対しては、受診しやすい環境を整えることも必要です。このため、令和3年度から、居住市町村以外の医療機関でも受診できるように、健診の広域化に向けた調整を行っているところです。 今後は、これらの取り組みに加え、健康ポイント制度などの対策によって成果を上げている人吉市や菊陽町の取り組みなど、県内外の優良事例に関する情報提供を積極的に行うなど、横展開を図ってまいります。 県としては、こうした特定健診やがん検診の受診率向上の取り組みを一層推進することにより、県民の健康寿命の延伸、ひいては生涯現役社会の実現につなげてまいります。  〔吉田孝平君登壇〕 ◆(吉田孝平君) 政府は、医療制度改革で焦点となっています75歳以上の後期高齢者の医療費窓口負担に関しまして、2022年には、現在の原則1割から2割に引き上げる方針を固めたと、先日の新聞で記事を目にしました。そのようになれば、高齢者の医療負担がふえることになりまして、やはり健康寿命、それには、特定健診、がん検診の受診というのは、さらに重要になってくると思います。 私も、40歳を過ぎまして、健康に関して考えるようになりました。県議会でも、池田県議が会長のもと、メタボ脱出の会というのを2年前ぐらいに発足いたしましたが、いまだに誰も脱出をできてないというのが現状でございます。脱出したと思ったら、また戻ってこられた方もおられます。 私は、来年の目標としまして、この会を完全に脱出するようにお誓い申し上げまして、次の質問に移らさせていただきます。 スポーツを生かした観光振興についてお尋ねいたします。 ラグビーワールドカップは大成功に終わり、熊本においても、多くの外国人が見受けられました。東アジアの方はもとより、欧米系の方々も多く見かけられたことは、これまでの熊本ではなかなか見られなかった光景であります。 私も、10月6日のフランス対トンガ戦をスタジアムで観戦しましたが、私の周りにも多くの外国人の方々が観戦され、ワールドクラスの迫力あるプレーに歓声を上げ、スタジアムもさることながら、ファンゾーンや飲食店等でも大いに盛り上がったところであります。 また、現在は、女子ハンドボール世界選手権大会の真っ最中であり、こちらも各試合会場で熱戦が繰り広げられております。1997年に男子ハンドボール世界選手権大会が熊本で開かれた際にも、多くの観戦者、観光客が熊本を訪れ、大変な盛り上がりとなりました。 今回の女子ハンドボール世界選手権大会は、世界から24カ国もの国の人々が熊本に集結しています。ラグビーワールドカップ以上に多くの国々が顔をそろえるということで、これまで以上の盛り上がりに大変期待しているところでございます。 私も、小学校のときに部活でハンドボールを経験しまして、また、先輩には男子日本代表でキャプテンを務めた方もおられ、ハンドボールには強い思い入れがあります。 ハンドボールの試合は、スピーディーな展開によるゴールの応酬が魅力のスポーツであり、見ていて全く飽きないです。また、選手を間近で見ることができ、ダイナミックなシュートなど、世界レベルのスピード、迫力を間近で体感できるため、まだごらんになってない方は、ぜひ試合会場まで足を運び、生のプレーを見ていただきたいと思います。 スポーツは、国籍や性別を問わず、定められたルールの中で切磋琢磨しながら、その興奮と感動をみんなが共有し、つながれるすばらしい共通のアイテムとなり得ることは、ラグビーワールドカップのワンチームを見ても、皆さん異論のないところだと思います。 熊本で開催されるこの2つのスポーツ大会は、かけがえのない経験として県民の記憶に刻まれ、特に子供たちにとっては大きなインパクトを与えるものだと確信しております。 他方で、スポーツは、多くのビジネスチャンスを生むことも皆さん御承知のとおりであると思います。その最たるものは、やはり観光交流分野かと思います。 ラグビーワールドカップには、欧米からも予想を超える多数の方が熊本にお越しになり、さまざまな交流が生まれ、町のにぎわい、飲食店を初め、大きな経済効果があったように思います。 我々は、スポーツ大会を通して、このような貴重な経験をしているところであり、今後、スポーツのすばらしさを次世代にレガシーとして残し、熊本の経済交流につなげていくのかということをそれぞれが考えながら、この期間を過ごしていくことが重要であります。 スポーツを通して、競技者、サポートメンバー、応援者、観戦者などの参加と交流の輪を一層大きくしながら、日本経済の成長エンジンである観光交流分野にさらに注力し、本県経済の浮揚につなげていければと考えます。 そこで、商工観光労働部長にお尋ねします。 2つのスポーツ大会の経験から、スポーツによる誘客や経済効果の大きさを目の当たりにしました。今後、スポーツを切り口に交流人口をふやし、いかに経済効果につなげていくのか、お尋ねいたします。  〔商工観光労働部長磯田淳君登壇〕 ◎商工観光労働部長(磯田淳君) 世の中に物やサービスが満たされた成熟社会を迎え、全国各地で観光客の獲得競争が激化する中、従来のような名所旧跡を駆け足でめぐる観光や、単に温泉や食のみをアピールするだけでは、思うような誘客が難しくなってきたと感じております。 そのような中、ここでしか体験できない、ここにまさる環境はないという、ほかにはない圧倒的な差別化を図ることができるのがスポーツツーリズムであると考えています。 ラグビーワールドカップでは、熊本にはかつてないほど多くの欧米豪の方々が観戦に訪れ、飲食店やホテル、さらには会場から離れた観光施設にも訪れ、大きな経済効果をもたらしました。 一方、スポーツ観戦だけではなく、自分自身がスポーツに参加する楽しみは、どれだけ行くのに時間がかかろうとも、多くの人々を集める魅力も持っています。 例えば、瀬戸内しまなみ海道は、眺望のよいルート設定や、休憩や修理ができる施設整備等により、国内外から年間33万人が訪れるサイクルツーリズムの先進地となっております。 このような中、県内各地においても、さまざまなスポーツツーリズムの動きが広がりを見せています。 例えば、サイクルツーリズムについては、人吉・球磨、天草地域等で展開がなされています。 また、ことしの大河ドラマで話題になったマラソン、駅伝では、玉名地域においては、金栗四三氏を冠したフルマラソン大会の創設、水上村においては、高地トレーニング施設への全国の駅伝強豪チームの誘致など、それぞれの特色を生かした取り組みがなされています。 さらに、阿蘇地域では、大自然の中を100キロ以上走破するトレイルラン大会の開催、水俣・芦北地域では、新しい水上スポーツ、SUPの全国大会が来年開催されます。 県では、これらの取り組みを促進するとともに、スポーツをきっかけに本県を訪れた方々に、各地域のここにしかない価値や魅力も楽しんでもらえるよう、情報発信やセールス活動を行ってまいります。 来年は、いよいよ東京オリンピック・パラリンピックが開催されます。ますますスポーツへの関心が高まります。この流れを捉えて、スポーツによる交流人口の拡大と経済効果の最大化をしっかりと図ってまいります。  〔吉田孝平君登壇〕 ◆(吉田孝平君) この2つのスポーツ大会では、大変な経済効果があったと思います。私、先日、宿泊施設、選手の方も泊まられているホテルでお話を聞かさせていただきまして、もうかったでしょうという話を聞きました。そしたら、これぐらいですかと言ったら、ゼロが1つ違いますよということを言われまして、金額は言えませんけれども、大変な売り上げがあったということをお聞きしまして、やはりスポーツによる経済効果というのは大変重要になってくると思います。これからまたスポーツ大会の受け入れに対しても積極的に取り組んでいただくようにお願いしたいと思います。 続きまして、最後に、今後の県営住宅のあり方についてお尋ねします。 県営住宅は、公営住宅法に基づき、収入が相対的に低く、自力では居住水準の向上が困難な世帯で、現に住宅に困窮する方々を対象に供給することを基本に、戦後から施策展開してきたものであり、経済社会情勢の変化を踏まえつつ、時代の要請に応えて、制度拡充や整備方針の見直しを重ね、県民の生活と福祉の増進を図る役割を担ってきました。 本県においては、高度成長期における住宅の確保の必要性、主に熊本都市圏への人口流入急増に対応するため、核家族の子育て勤労者世帯を想定した標準タイプの供給方式により、県営住宅が建設されてきました。 そのような中、平成28年に熊本地震が発生しました。県営住宅の耐震対策は、既に実施済みであったため、倒壊といった大きな被害はありませんでしたが、一部の住棟にコンクリートのひび割れ被害や建具の損傷などがあったということであります。 復旧工事のため、転居を余儀なくされた世帯が数世帯ありましたが、ほとんどの世帯については、そのままの住宅で生活し、応急的な復旧の完了とともに、もとの生活に戻られていると聞いております。 ここで、熊本地震後の住宅事情を見ますと、県営住宅とは別になりますが、災害公営住宅については、これまでに計画された1,715戸中、11月末現在883戸が整備され、今年度末には全戸完成予定となっております。 また、民間の住宅建設についても、個人住宅、マンションやアパートの整備も進んでいるため、地震前よりふえております。その一方で、少子化、人口減少は進展しており、2015年時の推計によると、県内の総世帯数は、2025年に4.9%、2035年には10.8%減少すると予想されています。 現在、県営住宅については、熊本地震以降、災害復旧工事を中心に実施されたことや被災された方の入居を優先するため、入居者の公募を一部団地で停止していたことも影響していると思われますが、空き住戸が徐々にふえているということでございます。県営住宅8,528戸中、平成27年が451戸、28年が638戸、29年が787戸、昨年度末が、全戸数の約1割に当たる884戸も空き住戸がある状況になっております。 団地ごとに見ますと、全団地42団地のうち、100%の入居が4団地ありますが、補充入居停止になっている1団地を除き、空き住戸率の一番高い荒尾市の県営八幡台団地では、132戸中、空き住戸が35戸で26.5%、そのほかにも、2割近くの空き室を抱える団地が2~3見られます。 このような空室状況であれば、当初予定していた家賃収入がそれだけ入ってこない状況にあると思われ、県の負担が大きくなるのではないかと思われます。 また、建設から40年以上経過した住戸が約5割を占める状況となっており、エレベーターがない等の不便さや立地等により入居希望に偏りもあるとの課題も聞いております。 このような状況を踏まえ、県営住宅の老朽化が進行しているものの、県の重要な資産を有効に活用する観点から、まず空き住戸を解消する必要があると考えます。 さらに、今後、老朽化に伴う県の予算で補修費の増加も想定される中、民間住宅等の建設状況、地域性を踏まえた県民の住宅に対する需要を考えれば、公営住宅の統廃合等、従来より一歩踏み込み、積極的に改善、活用していく手段もあわせて検討する必要があると思います。 そこで、今後の県営住宅のあり方について、土木部長にお尋ねします。  〔土木部長宮部静夫君登壇〕 ◎土木部長(宮部静夫君) まず、空き住戸の解消についてお答えいたします。 議員御指摘のとおり、熊本地震以降は、災害復旧工事の実施や被災された方々への空き住戸の提供など、一日も早い住まいの再建に重点を置いて対応してまいりました。このことが、地震以降の空き住戸の増加要因の一つと考えております。 しかし、今年度上半期までに全ての県営住宅の災害復旧工事が完了し、また、被災された方々への県営住宅の空き住戸の提供にもめどをつけることができました。 このため、本日より受け付けが始まる後期募集から、全ての団地において入居者募集を再開いたします。 また、指定管理者と連携し、より多くの入居が見込まれる団地を優先して改修工事を実施するなど、空き住戸の解消につながる住環境整備を進めてまいります。 次に、積極的な県営住宅の活用についてです。 これまでは、全ての方が使いやすいユニバーサルデザインへの配慮や建物の長寿命化を図るための改修工事に力を入れてきたところです。 今後は、これらの工事とあわせて、LED照明への改修を初め、省エネルギーや水銀フリーに配慮するなど、より時代のニーズや社会状況の変化に対応した形で実施してまいります。 また、ソフト面においても、現在、県営東町団地において、社会福祉法人と連携し、デイサービスや地域交流スペースとして活用する準備が進んでおります。その利用状況を踏まえ、ほかの団地においても、福祉的な活用を初めとする公共性の高い用途展開への可能性を検討するとともに、子育て世帯のさらなる入居促進などの充実を図ってまいります。 今後とも、ソフト、ハード両面から空き住戸の解消にしっかりと取り組むとともに、重要な資産である県営住宅を最大限有効活用してまいります。  〔吉田孝平君登壇〕 ◆(吉田孝平君) 先ほど、答弁の中で、ソフト面において、東町団地、社会福祉法人との連携によるデイサービス施設の活用ということがございました。入居者の方も高齢者の方もおられ、大変すばらしいことだと、活用方法だと思っております。ただ、きょうから、入居募集、再募集をされるということでございますが、入居者がこれから伸びない場合もございます。そういった場合は、やはり先ほど言いましたとおり、統廃合、そして縮小などを考えていく必要があるのではないかと思っております。 私の質問は、これをもちまして終わらさせていただきます。 最後までの御清聴まことにありがとうございました。(拍手) ○議長(井手順雄君) この際、5分間休憩いたします。  午前11時休憩    ――――――○――――――  午前11時11分開議
    ○議長(井手順雄君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 竹﨑和虎君。  〔竹﨑和虎君登壇〕(拍手) ◆(竹﨑和虎君) 皆さん、こんにちは。自由民主党・熊本市第二選挙区選出の竹﨑和虎でございます。 まず冒頭に、本年は、全国で大雨や台風、また、本県においては、9月に台風17号が襲来をいたしました。この災害においてお亡くなりになられた方々に御冥福を申し上げるとともに、被災された皆様方に心からお見舞いを申し上げる次第でございます。 さて、本年は、御代がわりの歴史的な年となりました。令和という新しい時代を迎えました。新天皇陛下、新皇后陛下の御即位に、県民の皆さん、国民の皆さんとともに喜び、そしてお祝いを申し上げたところでございます。 本日、一般質問の最終日、最後の質問者としてだけではなく、令和元年最後の質問者として、緊張感を持って、県政の課題に対し、熱意を持って質問をさせていただきたいと思いますので、どうか皆様方よろしくお願いを申し上げます。 それでは、質問に移らせていただきたいと思いますが、同僚の中村亮彦議員から、質問時間はくれぐれも守るようにということでございましたので、肝に銘じながら質問に移らせていただこうと思います。 第1問目に、防災・減災、国土強靱化の取り組みについて質問をさせていただきます。 近年、気候の変動の影響もあり、毎年、巨大台風や豪雨による洪水や土砂災害が発生し、日本各地で立て続けに甚大な自然災害が発生しております。 本県においても、本年9月22日の台風17号により、梨やミカンなどの果樹を中心とした農作物への被害や、有明海においては、ノリの養殖用の支柱の倒壊など、漁具への被害が発生しました。 また、熊本市西南部地域から玉名市、長洲町にかけて広範囲で停電し、さらには、航空機、フェリー、鉄道等の交通機関に乱れも生じました。 私自身も、台風が通過した後、被害のあった地域に足を運びましたが、多くの住民の皆さん方から、自然災害に対する不安の声をお聞きしたところであります。 その後に発生した台風19号では、記録的な豪雨により、関東、東北地方を中心に東日本各地で河川が氾濫し、堤防が決壊するなど大規模な水害が発生し、宅地や農地が次々と濁流にのみ込まれました。 国土交通省の集計によると、台風19号による浸水被害が起きたのは、17都県の285河川、堤防の決壊は、71河川、140カ所とも言われ、浸水した面積は、約3万4,800ヘクタールと、広範囲に上っており、昨年7月の西日本豪雨の2倍近くに当たるという広さであります。 また、土砂災害は、崖崩れが442件、土石流が398件、地すべりが44件と、全体で884件となっており、1つの台風災害としては過去最多であります。 さらに、河川の氾濫による住宅の浸水被害だけではなく、農作物が泥水につかったほか、橋脚が押し流されるなど鉄道設備の損壊や、病院や高齢者福祉施設にも甚大な被害をもたらし、被害は多岐に及びました。 この災害によって多くの方が亡くなられましたが、車での避難の移動途中に、冠水した道路で車が水没したり、車ごと流され、車の中で死亡する、いわゆる車中死の方が相次ぎました。 このような被災状況は、連日ニュース等で報道され、災害に対する不安感や恐怖感といったものが、私たちの記憶に深く刻み込まれたのではないでしょうか。 この想定を超える被害をもたらした台風19号による大規模な水害は、堤防の決壊や土砂災害を防ぐ治水対策や中小河川の監視、住民への避難勧告のあり方などの課題を残したと言えます。 蒲島知事は、本年9月定例会において、自由民主党の前川会長の国土強靱化に向けた取り組みの質問に対し、平成29年に熊本県国土強靱化地域計画を策定し、平時からの備えにより被害の最小化を図り、迅速な復旧、復興につながる取り組みを進め、計画に具体性を持たせ、実効性を高める、市町村にも計画策定に向け促進に注力し、実効性のあるものとするための予算、財源の確保に向け国に求めていくと答弁をされています。 現在、国において、国土強靱化地域計画に基づき対策を進めるとともに、市町村計画の策定を支援されているのは承知しております。 しかしながら、近年は、今回の台風19号による未曽有の大水害のような大災害が、いつ、どこで、どんな形で起きてもおかしくない状況であり、県民の方々も、自然災害に対する防災力強化に強い関心をお持ちになられております。 本県においても、防災・減災、国土強靱化は、ますます重要性が増しているものと考えます。国においては、これまでさまざまな財政支援等を講じられてきていますが、それらの対応を含め、防災・減災、国土強靱化に向けてどのように取り組まれるのか、知事にお尋ねします。  〔知事蒲島郁夫君登壇〕 ◎知事(蒲島郁夫君) 県では、熊本地震の経験と教訓をしっかりと反映させる形で、地震の翌年に熊本県国土強靱化地域計画を策定しました。これまで、計画に基づき、平時からの備えによって被害の最小化を図り、迅速な復旧、復興につなげるため、道路、河川等のハード面の整備強化とともに、受援計画やBCPの策定など、ソフト対策のほうも取り組んでまいりました。 国は、昨年12月、防災・減災、国土強靱化に集中的に取り組む7兆円規模の3カ年緊急対策を決定しました。 県としても、このような国の動きに呼応し、今年度中に個別事業等を記載するなどの県計画の充実を図り、より計画の実効性を高めることとしています。また、国による事業採択の要件とされる市町村計画の策定についても、全ての市町村が取り組みを進めています。 現在検討されている国の経済対策では、3カ年緊急対策の着実な実施とともに、水害対策を中心としたさらなる推進策が検討されています。このような動きをしっかりと捉え、市町村と連携し、災害に強い県土の強靱化を加速化してまいります。 また、ハード対策にあわせて、自分の命は自分で守るためのソフト対策が重要です。そのため、県民の皆様の速やかな避難につながるよう、甚大な被害をもたらした事例を防災講座で取り上げるなど、あらゆる機会を捉えて、防災意識を高めていきます。 また、水防法で作成を義務づけられている河川の浸水想定区域図については、来年度末までの予定を前倒しして、今年度中に作成します。その他の河川についても、早期に完成するよう取り組んでまいります。 その上で、住民が、どこに、どのように避難するのか、迅速かつ的確に判断できるよう、浸水想定区域や避難所の位置などの情報をスマートフォン等で把握、確認できるシステムの運用を来年度から開始します。 引き続き、国や市町村と連携しながら、ハード、ソフトの両面を組み合わせた総合的な対策を推進し、安全、安心な熊本を実現してまいります。  〔竹﨑和虎君登壇〕 ◆(竹﨑和虎君) 蒲島知事より、答弁の中で、河川の浸水想定区域図の作成を1年前倒しするとのお話がありました。県民に安心感を与える意味でも、一日も早い作成をお願いしたいと思います。 さらには、国の令和元年度補正予算において、安全、安心の確保というのが重点項目として上がっており、国土強靱化、防災・減災の面での予算も盛り込まれております。そういったものを利用し、県民の命を守るために、安全で安心な暮らしができる県土づくりに邁進していただきたいと思います。 それでは、関連して、次の質問に移ります。 今回の台風19号では、堤防が決壊した河川のうち、半数の河川において、浸水想定区域図がつくられていませんでした。また、浸水想定区域図の作成対象外であったところもあります。 水防法では、河川管理者である国や県は、洪水により相当な損害を生じるおそれがある河川を水位周知河川として指定し、これらの河川においては、浸水想定区域の指定を義務づけています。 また、平成27年の水防法改正により、浸水想定区域の雨量の想定を、河川整備の目標となる数十年に1度から1,000年に1度の規模に拡大をされました。 近年は、毎年のように記録的豪雨が発生し、想定を超えるという言葉が日常化しています。県民の命を守るためにも、先ほど蒲島知事から答弁をいただきましたが、浸水想定区域図の作成を急がなければなりません。 さらに、県民がみずから命を守る行動を起こすためには、近づく洪水の危険を目視することができるよう、水位計や河川監視カメラなどによる水害リスク情報発信の強化も必要と考えます。 そこで、浸水想定区域図の作成の進捗状況、また、水位計や河川監視カメラの設置状況と今後に向けた取り組みについて、土木部長にお尋ねをいたします。 次に、災害時の住民避難の促進についてですが、市町村は、浸水想定区域図をもとに、自分自身の住まいが浸水想定区域内なのかどうかという危険度に加え、避難先や避難ルートなどの情報を確認する地域住民向けのハザードマップを作成しています。 しかしながら、このハザードマップについては、情報がわかりやすく記載されているのか、住民に広く伝わっているのか、行政と住民の目線が一致しているのか、疑問に感じます。 この災害を契機に、改めてハザードマップの周知や利活用を初めとする住民の避難行動を促進するための取り組みの充実が必要なのではないかと強く思ったところです。 そこで、情報技術の発達により、災害情報の伝達は進歩している中、行政による災害への警戒や対応の早期呼びかけ、また、ハザードマップの周知といった、住民の避難行動の促進に向けた取り組みについて、台風19号を踏まえ、今後どのように取り組まれるのか、知事公室長にお尋ねします。  〔土木部長宮部静夫君登壇〕 ◎土木部長(宮部静夫君) 浸水想定区域図の作成等ソフト対策についてお答えいたします。 水防法では、水位周知河川について、想定し得る最大規模の降雨に対する浸水想定区域図の作成、公表が義務づけられており、国からは、令和2年度までに完了するよう示されております。 県では、管理する407河川のうち、水位周知河川に指定している67河川について、平成28年度から浸水想定区域図の作成に取り組んでまいりました。 このうち、緑川など1級水系23河川を昨年度末に、また、坪井川など2級水系18河川について、本年5月に作成、公表をいたしました。 残る26河川につきましては、国の平成30年度補正予算を活用し、知事の答弁にありましたように、1年前倒しして、今年度末までに全て作成、公表する予定です。 さらに、県では、水位周知河川以外の340河川のうち、洪水による浸水被害が発生し得るおそれのある322河川につきましても、浸水想定区域図の作成が必要であると考えております。 これらの河川に対して、既に今年度から作業に着手しており、1年でも早く完了するよう、スピード感を持って取り組んでまいります。 また、洪水時の避難判断の目安となる河川水位を計測するため、既に設置している93基の水位計に加えて、本年3月に89基の危機管理型水位計を設置し、今年度、7基を追加設置する予定です。 さらに、河川の状況をリアルタイムで確認できる河川監視カメラにつきましても、既に設置している60基に加えて、今年度は71基の簡易型河川監視カメラの設置を予定しております。 これらの情報は、全てインターネットを介し、リアルタイムで住民の皆様へ提供することとしております。 全国各地で記録的な豪雨による被害が発生している中、ハード対策だけでは防ぎ切れない大洪水は発生し得るものとの考えのもと、今後も、命を守るための住民の避難行動につながるソフト対策を充実強化してまいります。  〔知事公室長白石伸一君登壇〕 ◎知事公室長(白石伸一君) 住民の避難行動の促進に向けた取り組みについてお答えいたします。 県では、これまで、防災情報メールの配信や防災ハンドブックの全戸配布等を通じて、避難行動の促進に取り組んでまいりました。また、市町村においても、ハザードマップを作成し、各家庭への配布やホームページ等への掲載など、取り組みを行っております。 今回の台風を踏まえ、住民お一人お一人が、それぞれの置かれた危険度に応じ、最善の避難行動を実行していただくためには、我々行政機関が、ハザードマップ等の防災情報を、これまでよりもわかりやすい形で発信するとともに、県民の皆様には、これらの情報をしっかりと活用していただくなど、取り組みの充実が必要と考えております。 このため、県では、現在、浸水想定区域といった危険区域や避難所等の情報に加えまして、各種警報や避難勧告等の防災気象情報を必要なときにスマートフォンなどで入手、確認することが可能なシステムについて、来年度の運用開始に向けて整備しているところでございます。 あわせまして、ハザードマップが、想定し得る最大規模の降雨に対応した浸水想定に速やかに更新されるよう、市町村を支援してまいります。 また、県民の皆様のハザードマップへの理解を深め、活用が促進されるよう、地域の避難訓練等で実際にハザードマップを見ながら避難を実践するといった取り組みの強化も図ってまいります。 このほかにも、避難行動開始の判断において重要な市町村の避難勧告等が、浸水想定区域など地域の災害発生リスクに応じてきめ細かに発令されるよう、市町村を訪問しての助言などを行ってまいります。 引き続き、県民の皆様に、自分の命は自分で守るという意識をしっかりと持っていただき、早目の避難行動を実行していただけるよう、市町村と連携しながら、情報発信や啓発活動等の取り組みを進めてまいります。  〔竹﨑和虎君登壇〕 ◆(竹﨑和虎君) 私も、地域の皆さん方とお話をしておりますと、みずからの家が浸水想定区域内なのか、また、どこに、どのようにして避難していいのかわからないとおっしゃる方が多々いらっしゃいます。 また、台風や水害になると、裏の畑を見てくるだとか、別の場所に家族がおるからちょっと見に行ってくるとか、外に出て被害に巻き込まれるといった方が必ずいらっしゃいます。そういった場合、多くのところで、家族の方は、行くとはやめなっせて、とめとるみたいですが、なあん、いつも行きよるところだけん、わかっとったいとか、おら大丈夫たいということで、その制止を振り切って出かけて、被害に遭っとるというふうに伺っております。家族で災害に対する考えを見直し、共有することも大切と感じております。 全ての県民が安全で安心して暮らせるように、ハード、ソフト、いろんな事業に取り組み、先ほど申された浸水想定区域図を早く作成していただき、ハザードマップの活用や周知にどんどん取り組んでいただきたいと思います。 それでは、次の質問に移らせていただきます。 学力向上に向けた学校におけるICT活用の推進についてお尋ねをいたします。 世界において、一般社会のデジタル化が大きく進む中、この日本において、特に学校現場が大きく取り残されている状況があります。 (資料を示す)スクリーンの方をごらんいただきたいと思います。 これは、OECD国際教員指導環境調査報告書による資料でございますが、本日のある新聞の朝刊1面に、昨日、経済協力開発機構、OECDが発表した、世界の15歳を対象に、3年ごとに3分野の力を調べる学習到達度調査の結果が載っていました。前回から調査方法が紙からコンピューターとなり、読解力、思考力、表現力などが伸び悩んでいるということが顕著になっているということでありました。 日本では、デジタル機器を利用して、ゲームやチャット、こういうもので遊んでも、学習にはほとんど利用していないということであります。日本は、授業でデジタル機器を利用する時間がOECD加盟国中最下位であります。また、宿題にコンピューターを使う割合というのも最下位でありました。 これまで、学校といえば、一般的に、黒板とチョーク、同じ時間、同じ場所で、同じ学びの、いわゆる一斉学習でした。生徒は、黒板に書かれた内容を手書きでノートに書き写すのに一生懸命で、このため、授業は教師中心であり、一方向的で受動的な学習ではなかったかと思います。 確かに、このような一斉学習にもよい面がありますが、時代の推移や変化とともに、その指導法を充実させていくことが重要で、これからは、子供一人一人に応じたきめ細やかな指導が必要になってくるのではないかと考えます。 ことし4月に小中学生を対象に実施された全国学力・学習状況調査において、本県の成績を見ると、全国平均を上回ったのは、小学校の国語のみでした。また、県内においても、圏域により学力差のばらつきが見られました。 令和の時代を迎え、教育立県熊本を目指す本県において、これからの熊本を牽引していく人材を育てていくことが必要ですが、そのためには、まず、今後の産業構造や就業構造の変化に対応すべく、学校現場におけるICT環境の整備が急務であると考えます。 学校のICT環境を整備することにより、児童生徒一人一人の学習理解度や習熟度に応じた学びができるとともに、主体的、対話的で深い学びの実現が可能となり、また、山間地や僻地においても、遠隔、オンライン教育により、多様な学びの機会が確保できます。 先般、教育警察常任委員会の管内視察で、教育ICT先進自治体である高森町に行ってまいりました。御対応いただいた高森町の草村町長、佐藤教育長の話を伺い、ICT教育の必要性を確かなものと感じた次第です。 高森町では、町内の全世帯に光回線を導入するなど、情報共有環境を整備しており、情報の地方格差をなくしたいという思いが、教育現場におけるICT推進の原動力になっているそうです。 また、町長、教育長からは、パソコンの導入が目的ではなく、教育の情報化が目的であり、パソコンと電子黒板、デジタル教科書を一体的に活用することが重要という趣旨の発言があり、デジタル教科書についても、県による導入費用の補助の検討を要望する発言もありました。 授業における1人1台のパソコン導入だけではなく、電子黒板とデジタル教科書、学習支援ソフト、無線LANなどを一体的に活用することにより、児童生徒一人一人の学びの質を大きくアップされています。 特に、町では、自分たちで考えたことを人に伝えるプレゼン能力を養うためのプログラムに注力されており、実際に授業を見学しましたが、子供たちの生き生きとした授業に取り組む姿勢には目をみはるものがありました。 ICT導入前と導入後では、児童生徒の学力が大きく向上しているとのことで、昨年度の全国学力・学習状況調査においては、全ての教科、質問において全国平均を上回り、さらに、パソコン入力コンクールでも高い成績を残すなどの成果を上げられています。 高森町のICTを活用した教育改革は、個々の子供の習熟度に応じたきめ細やかな指導と、誰ひとり取り残すことのない個別最適化された学びが実現できるとともに、校務支援システムや教務支援システムの活用を通した児童生徒それぞれのデータの情報共有による事務の効率化など、教職員の学校における働き方改革の一助となっています。 また、気象変動等により自然災害が多発する昨今において、Wi-Fi環境の整備などネットワーク環境を充実させることにより、災害時の避難所としての防災機能の向上にもつながるものと思われます。 本県においては、高森町のほかにも山江村が積極的にICT教育に取り組み、大きな成果を上げていますが、県内全域では、市町村の取り組みにばらつきがあります。まだまだこれから取り組むといった状況であると思います。 現在、学校でのICT環境整備状況は、全国平均の児童生徒5.4人にパソコン1台というのに対し、本県では4.4人にパソコン1台となっています。 国の整備計画では、児童生徒3人に1台とされており、年間1,805億円の地方財政措置が講じられていますが、ことし6月には、1人1台の整備方針が政府において閣議決定されました。 さらに、安倍晋三首相も、先月13日に開催された経済財政諮問会議において、パソコンが1人1台となることが当然だということを国家意思として示すと発言をされています。 また、来年度には小学校新学習指導要領の全面実施、再来年度には中学校新学習指導要領の全面実施が控えており、計画的に学習環境整備も行わなければなりません。 教育立県を掲げる本県において、全国に先駆けてICT環境を整備し、学校への児童生徒1人1台のパソコンと電子黒板、デジタル教科書等の一体的な導入が必要なのではないでしょうか。 そこで、県立学校及び市町村における小中学校のICT環境整備をどのように進めていくのか、教育長にお尋ねします。  〔教育長古閑陽一君登壇〕 ◎教育長(古閑陽一君) 学力向上に向けた学校におけるICT活用の推進についてお答えをいたします。 ICT活用の教育効果としては、子供一人一人の習熟度等に応じた最適で効果的な学びの実現、インターネットを活用した遠隔授業や他の学校との合同授業、そして校務の効率化などが挙げられます。 私は、この効果を最大限に生かすことによって、本県教育委員会の喫緊の課題であります学力の向上、小規模校における教育環境の格差の解消、さらには働き方改革を実現していくことが大変重要であると考えております。 国におきましては、世界から大きくおくれている我が国の現状を踏まえ、本年6月に、学校教育の情報化の推進に関する法律が施行されました。学校教育の情報化が、国、地方公共団体、学校設置者の責務と位置づけられました。 また、国のパソコン整備の目標は、3クラスに1クラス分程度とされておりましたが、未来投資戦略など最近の国の計画では、1人1台の早期実現という新たな方針が示されております。加えて、現在国が検討中の経済対策でも、1人1台の整備に向けた具体的な検討が進められていると承知をしております。 それに対しまして、本県の整備の現状ですが、議員御指摘のとおり、一部の市町村を除いて、県立・市町村立学校ともに1人1台からは大きくかけ離れております。 今後の取り組みについてです。 まず、県立学校については、当初、国と同様に、今年度から3クラスに1クラス分程度のパソコン整備を計画しておりました。しかしながら、最近の国の動向や令和4年度に高等学校の新学習指導要領が実施されることを踏まえまして、今後は、1人1台のパソコン、電子黒板、デジタル教科書の三位一体のICT環境整備をできる限り早期に実現することを目指し、取り組みを加速化してまいります。 あわせて、教員のICT活用の指導力の向上や学校現場への支援の充実にも取り組んでまいります。 次に、市町村立学校のICT化につきましては、まずは、各教育委員会、さらには各市町村長に対して、教育の情報化がこれからの教育に必要不可欠であることの理解の促進を働きかけてまいります。 その上で、県立学校同様に、三位一体のICT環境整備の早期実現に向け、国の経済対策を可能な限り利活用しながら、市町村における取り組みを強力にサポートし、学校におけるICT化の推進に全力で取り組んでまいります。  〔竹﨑和虎君登壇〕 ◆(竹﨑和虎君) 教育長より、全力で取り組んでいくという力強い言葉がございました。ぜひ、県立学校のみならず、市町村においても、県のほうで引っ張っていくというような覚悟で取り組んでいただければと思います。 この学校ICT環境整備においても、国の補正予算に係る重点項目において、未来への投資ということで掲げられております。 教育立県を掲げる本県においても、子供たち1人1台のコンピューター端末とあわせて、先ほど三位一体とおっしゃいましたが、デジタル教科書等の導入の実現も取り組んでいただきたい。そして、高速通信ネットワーク整備にも取り組んでいただきたいと思います。それが熊本の未来を支えていく人材を育成していくことにつながると思っておりますので、どうかよろしくお願いをしたいと思います。 続きまして、熊本市西南部地域の振興について、熊本市西南部地域の基幹産業の一つでもあります農業の振興策について質問をさせていただきます。 本年は、熊本市西南部地域の農家にとって、6月の空梅雨、その後の大雨、猛暑、そして盆明けからの秋雨、日照不足、さらには台風の襲来と、週がわりに天候が変わり、大変厳しい気候条件だったと思います。平たん部では、日々の除草、施肥、耕起などにより、また、樹園地では、摘果、シートマルチ被覆、フィガロン散布などの基本管理の積み重ねにより、すばらしい米や野菜、そして果樹ができたと伺っています。 昨年の11月定例会において、熊本市西南部地域の振興の一つとして、当地域の基幹産業の一つである農業の生産性向上について質問をしましたが、農林水産部長からは、農業経営の維持発展には、生産性を一層高める基盤整備と技術向上が何より重要であり、技術向上については、米、麦、大豆では、生産コストのさらなる削減に向け、ICTを活用した営農体系への取り組みを進めているなどの答弁をいただきました。 私は、地方における現在の人口減少社会において、このICTを活用したスマート農業を取り入れた営農の展開こそが、作業負担の軽減や作業の効率化を進め、これからの農業を支える上で、大変重要であると考えます。 本県の販売農家数は、2015年農林業センサスによると4万103戸で、平成17年からの10年間で26%減少しており、熊本市においても28%減少するなど、10年間で4分の1も減少しています。 私の地元である熊本市西南部地域に目を向けると、平たん部の水田地帯から金峰山一帯の中山間地域まで、多様な農業経営が営まれておりますが、やはり担い手の減少や高齢化が進行しており、農業における労働者不足が深刻な問題となっています。 このため、平たん部においては、農事組合法人熊本すぎかみ農場に代表されるように、地域営農組織によるスケールメリットを最大限に発揮するための作業の効率化や、中山間地においては、軽作業化、省力化が求められており、やはり、これらの問題解決の鍵は、スマート農業だと考えます。 さらに、スマート農業への取り組みを加速化させるため、早くから若い世代への教育も必要ではないかと思います。 このような中、県においては、本年度を本格的なスマート農林水産業の推進元年と位置づけ、各種フォーラムの開催やスマート農業関連機器を導入する際の目安となる経営指標の作成など、強力に施策を展開されています。 一方、国においては、令和7年までに担い手のほぼ全てがデータを活用した農業を実践する状態を目指し、農業新技術の現場実装推進プログラムの策定が行われ、スマート農業の普及に向けた施策の効果などが示されたところです。 また、成長戦略においても、農業改革の加速化を図るため、スマート農業の推進がうたわれており、研究開発や実証、普及、環境整備が一体的に進められると聞いております。 このような状況を踏まえ、私としては、スマート農業への取り組みの継続性が求められると思っており、県においても、今後の方向性を示した計画等の作成が必要ではないかと考えます。 そこで、1点目は、今後どのようにスマート農業を推進していくのか、農林水産部長へお尋ねします。 次に、先ほど申しましたとおり、当地域は、平たん部の水田地域から金峰山一帯の中山間地域まで、多様な農業経営が行われており、効果的に生産性を高めていくためには、基盤整備が極めて有効であると認識しています。 特に、ミカンなどを生産している河内地域の樹園地では、現在、基幹的な農道を中心に整備が進められていますが、まだ整備を待ち望んでいる地域もあります。 また、急傾斜地で分散した農地もあり、この地形状況や地元農家のニーズに応じたきめ細やかな整備が必要と考えます。 そこで、2点目に、今後、河内地域を初めとする熊本市西南部地域の樹園地の基盤整備の方向性について、以上2点、農林水産部長にお尋ねします。  〔農林水産部長福島誠治君登壇〕 ◎農林水産部長(福島誠治君) まず、1点目のスマート農業の推進についてお答えします。 スマート農業は、作業の省力化や技術の平準化が図れるなど、人口減少社会にあって、誰もが農業に取り組みやすくなる極めて有効な手段であると考えています。 このため、県では、議員御紹介のとおり、本年度を本格的なスマート農業推進元年と位置づけまして、国や市町村、JA、教育機関などと連携しながら、強力に施策を展開しております。 今後、スマート農業の導入を加速化させるには、費用対効果の分析と、導入効果を最大化するための栽培環境の検討などが必要です。特に、中山間地域では、労働負担の軽減を可能にする技術確立が重要となってまいります。 このため、ICTを活用した営農管理システムを導入している熊本すぎかみ農場などの平たん部の大規模生産法人におきまして、スマート農業機器を生産から出荷まで活用した場合に生産性がどれだけ向上するか、あるいは機械の性能に応じた農地の適正規模はどのくらいかなど、そうした検証を行っているところです。 一方、河内地域のような機械導入が困難な中山間地域におきましては、かんきつでのドローンによる農薬散布の技術を開発中であり、また、選果場での作業負担の軽減についても、ロボット技術などの活用を検討していくこととしております。 また、若い世代への教育も大事と考えており、今年度から、農業大学校と県内4つの高校が連携し、シクラメンの栽培データの見える化による栽培技術の向上に取り組むとともに、最先端の農業機械の実演会なども開催しております。 引き続き、農業団体等とも連携し、本県の実情に応じた農業経営の将来像を見据えながら、積極的にスマート農業を推進してまいります。 次に、2点目の樹園地の基盤整備の方向性についてお答えします。 果樹の一大産地である河内地域は、県営事業により、昭和50年代から農道を中心に整備を進めてまいりましたが、未整備の樹園地もまだ多く残っている状況にあります。 そこで、県では、今後の整備を効率的に進めていくため、現在実施中の地区を最優先で整備するとともに、未整備地区を含めた地域全体の新たな整備計画を策定したいと考えております。 そして、計画策定に当たりましては、熊本市や地元農家の御意見を伺いながら、園地の集積や農作業の省力化を考慮した整備内容の検討を進めてまいります。あわせて、事業実施においては、コストの縮減や事業工期の短縮など、効率的かつ効果的な整備に取り組んでまいります。  〔竹﨑和虎君登壇〕 ◆(竹﨑和虎君) 御答弁の中で、スマート農業を進めていく、また、基盤整備においても進めていっていただける、取り組んでいっていかれるということでございますが、スマート農業というお話をしても、すとんと落ちないというか、そら何ねという感覚も現場の農家さんにはありますので、情報発信にもぜひ努めていただきたいと思いますし、我々もそういったものを広めていきたいと思っております。 また、樹園地の整備であったり、集積することによって、耕作放棄地、そういったところをなくす面もあります。こういった廃園であったり、耕作放棄地がイノシシの巣となっとるとかいう話も伺います。こういったものが鳥獣被害にもつながるものだと考えておりますので、基盤整備、そういった整備にも努めていただきたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げたいと思います。 私の地元である熊本市西南部地域のみならず、本県の基幹産業である農業の発展こそが、商工業の発展につながり、そしてサービス業の発展にもつながり、ひいては地域の発展につながるものだと考えます。 さまざまな業種、業態において、高齢化や人材不足が課題となっておりますが、農業分野においては、このスマート農業の導入や基盤整備に取り組んでいただき、作業負担の軽減化、作業効率をよくすることによって、農業の振興につなげていきたいと思います。 続いて、熊本市西南部地域のもう一つの基幹産業であります水産業の振興と有明海再生の要望をさせていただきます。 この有明海は、貴重な水産資源の宝庫として、大いなる恵みを県民にもたらしてきました。干潟の面積、干満差が日本一の海で、漁業者の方々は、干満の差を利用したアサリなどの採貝業、また、最大の産業であるノリの養殖業を営んでおられます。 ことしのノリ養殖は、出だしが海水温の影響や栄養塩の不足により心配されましたが、何とか回復傾向にあると伺っているところであります。 また、アサリの漁獲量については、以前と比べれば、漁獲量はまだまだほど遠い状況ですが、徐々に回復傾向にあると、こちらのほうも聞いております。 県では、有明海の水産資源回復のため、さまざまな事業に取り組んでおられることは承知していますが、水産業においては、農業と同様に、担い手である漁業者の高齢化や後継者不足といった問題も抱えており、このままでは漁村自体の衰退につながるものと憂慮しております。 このような中、漁業者の方々は、有明海において持続可能な水産業を確立し、水産資源をふやすため、稚魚や稚貝の放流事業を行うとともに、魚種により規格を設けて小型の魚を再放流するなど、資源管理型漁業に取り組んでおられます。 有明海をかつての豊穣の海へと再生し、ノリ養殖業における高品質なノリの安定生産やアサリの資源回復を図り、漁村ににぎわいを取り戻すことが、熊本市西南部地域の水産業の再生、漁業者の所得向上につながり、ひいては地域の発展につながるものと確信しています。 そこで、今後も引き続き、水産業を支える漁港や港湾の基盤整備やヘドロのしゅんせつに取り組んでいただくとともに、漁場の環境改善のため、作澪、覆砂、耕うんなどの事業についても、さらに強化し継続していただくことを強く要望します。 加えて、漁業者の皆さんからは、アサリの食害対策、例えば、カモなどの鳥類に対する対策の強化をしてほしいという声も上がっておりますので、その対応についてもお願いをしたいと思います。 また、ふるさとのきれいな海を健全な姿で次世代に継承していくため、地域住民の皆様方を初め、行政やNPO法人などと協力し、海岸の一斉清掃活動や植樹活動に取り組んでおります。 しかし、近年の生活環境の変化によるペットボトルやビニール袋などのプラスチックごみの海洋流出、また、気候の変動などにより、有明海の漁場環境が悪化している状況であります。海洋に流出したごみが微細化することにより、ノリ製品に細かなごみが混入し、クレームの対象となっていると聞いています。 プラスチックごみの海洋流出を防ぐためにも、陸域を含めた対策を県民全体で取り組もうという意識の醸成が必要ではないかと考えます。 環境立県を目指す熊本県として、くまモンを活用するなど、プラごみ対策、この啓発にもさらに取り組んでいただけるように要望をいたします。 それでは、最後の質問に移らせていただきます。 最後の質問として、県民の幸福度についてお尋ねをします。 今回、私は、防災・減災、国土強靱化による安全、安心の県土づくり、教育立県を目指す教育現場のICT活用の推進、本県の基幹産業である農業、水産業の振興などについて、お尋ねや要望をさせていただきましたが、これらはいずれも県民の幸福度の上昇に大きく寄与するものと考えています。 ところで、知事は、就任以来、県民の総幸福量の最大化、これを県政の最大の目標に掲げ、取り組みを進めてこられました。その結果、熊本地震という未曽有の災害があったものの、蒲島県政のもとで県民の幸福度は着実に上がってきており、それが、次の県政も引き続き蒲島知事に担ってもらいたいという県民の声につながっていると私は強く思っています。 先般、そのような私の思いを裏づけるような調査結果が発表されました。それは、毎年都道府県の魅力度ランキングを実施していることで有名なブランド総合研究所が、今回初めて行った都道府県幸福度ランキングです。 それによれば、熊本県は、幸福度の高い都道府県ランキングで、堂々の全国第2位にランクインをしました。この調査結果を見てみると、7割以上の方が幸せを感じると回答されていました。 これまでも都道府県の幸福度調査は多々ありましたが、これは、例えば、健康や文化といった分野ごとに、健康診査受診率や書籍購入率といった統計的な指標を複数設定して、おのおのの順位を算出し、それらを総合したものを都道府県の幸福度とみなしてランキング化したものでした。 これに対して、今回の調査は、あなたは幸せですかとストレートに問い、その回答結果を直接ランキング化したもので、これまでの調査と比べて、私は、実際の県民の皆さんの感覚により近い結果が出ているのではないかと考えています。 さらに言えば、この調査は、ことしの7月に実施されていますが、いまだ熊本地震からの復旧、復興の道半ばにあるという厳しい状況の中での調査でありました。しかし、知事とともに私どもが取り組んでいる、地震前よりもよりよい姿にするという熊本地震からの創造的復興というのが県民の皆さんに御理解をいただき、このように幸せを感じていただいていると私は確信しております。 そこで、この調査結果も踏まえ、県民の幸福度について、知事としてどのように受けとめておられるのか、知事にお尋ねします。  〔知事蒲島郁夫君登壇〕 ◎知事(蒲島郁夫君) ただいま議員から御紹介のあった幸福度調査の結果については、いまだ地震からの復旧、復興の途上という厳しい状況の中で、このような結果が示されたことを大変うれしく、また、光栄に思っています。 実は、県においても、平成24年度から令和元年度まで、独自に毎年県民の幸福度調査を行っています。その結果、直観的に幸福を感じている人の割合は、例年73%前後で推移しており、議員御紹介の調査と同様の結果を示しています。 特に、蒲島県政3期目は、県民の皆様が熊本地震という大逆境を何とか乗り越え、幸福を感じてもらえるよう、全力で取り組んでまいりました。 このような取り組みの中で、仮設住宅入居者の8割を超える約4万1,000人の方々が住まいの再建を実現され、ほとんどの中小企業や農家の方々が事業や営農の再開を果たすなど、復旧、復興は着実に進んでいます。さらに、創造的復興を目指し、熊本の将来展望を示したことによって、多くの県民が夢や希望を抱くことができているのではないかと感じています。 このような蒲島県政の一連の取り組みが、県民の皆様の幸福感に、そして今回の幸福度全国2位という結果につながったと考えています。 ただ、私は、どのような調査結果になろうと、その結果に一喜一憂することなく、私に与えられた任期の中で、県政の課題に挑戦し、それを克服することで、県民総幸福量の最大化を実現してまいりたいと思います。  〔竹﨑和虎君登壇〕 ◆(竹﨑和虎君) 知事の御答弁の中で、熊本地震からの復旧、復興が着実に進んでいる、また、県政の課題に挑戦し、克服することで、県民総幸福量の最大化を実現していくという話がありました。これまでと変わらぬ姿勢や地震前よりよりよい姿にしていくということが、県民の皆さんに御理解をいただいておるところではないかなと思っております。そういったことが、次の県政もぜひ蒲島知事に引き続き担ってほしいという県民の声につながっていると思っております。 私自身も、知事を初め執行部の皆さんと切磋琢磨しながら、新しいこの熊本の未来を切り開いていけるよう努力をしてまいりたいと思っております。 随分時間が残ってしまいましたが、無事に終えられたことをうれしく思っております。今後も努力してまいりますので、皆様方の御指導をよろしくお願い申し上げ、私の質問を終わらせていただきます。 御清聴まことにありがとうございました。(拍手) ○議長(井手順雄君) 以上で通告されました一般質問は全部終了いたしました。 これをもって一般質問を終結いたします。    ――――――○―――――― △日程第2 議案等に対する質疑(第1号から第32号まで) ○議長(井手順雄君) 次に、日程第2、目下議題となっております議案第1号から第32号まで等に対する質疑を行いますが、ただいままで通告はありません。よって、質疑なしと認めます。    ――――――○―――――― 知事提出議案第33号から第40号まで ○議長(井手順雄君) 次に、お諮りいたします。 知事提出議案第33号から第40号までが提出されましたので、この際、これを日程に追加し、一括して議題といたしたいと思います。これに御異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(井手順雄君) 御異議なしと認めます。よって、知事提出議案第33号から第40号までを日程に追加し、一括して議題とすることに決定いたしました。 知事提出議案第33号から第40号までを一括して議題といたします。  ―――――――――――――――――― 第33号 令和元年度熊本県一般会計補正予算(第4号) 第34号 令和元年度熊本県港湾整備事業特別会計補正予算(第2号) 第35号 令和元年度熊本県流域下水道事業特別会計補正予算(第3号) 第36号 令和元年度熊本県電気事業会計補正予算(第2号) 第37号 令和元年度熊本県工業用水道事業会計補正予算(第1号) 第38号 令和元年度熊本県有料駐車場事業会計補正予算(第1号) 第39号 令和元年度熊本県病院事業会計補正予算(第2号) 第40号 熊本県一般職の職員等の給与に関する条例等の一部を改正する条例の制定について    ――――――○―――――― 知事の提案理由説明 ○議長(井手順雄君) 次に、ただいま議題といたしました議案に対する知事の説明を求めます。 知事蒲島郁夫君。  〔知事蒲島郁夫君登壇〕 ◎知事(蒲島郁夫君) 本日追加提案しました議案について御説明申し上げます。 まず、補正予算については、去る10月10日に県人事委員会から勧告のありました職員の給与改定の実施に伴い、給料、期末・勤勉手当等の額を引き上げるものであります。 これにより、一般会計は、冒頭提案分と合わせ24億円の増額補正となり、補正後の一般会計予算額は8,248億円となります。 あわせて、この給与改定等に伴う条例改正を提案しております。 このほか、本日は、人事案件についてもあわせて提案しております。 これらの議案について、御審議のほどよろしくお願い申し上げます。    ――――――○―――――― 人事委員会の意見(第40号) ○議長(井手順雄君) 次に、ただいま議題といたしました議案のうち、第40号につきましては、職員に関する条例案であり、地方公務員法第5条第2項の規定により、人事委員会の意見を聞く必要がありますので、ただいまから人事委員会の意見を求めます。 人事委員会委員長出田孝一君。  〔人事委員会委員長出田孝一君登壇〕 ◎人事委員会委員長(出田孝一君) 本議会に追加提案されました議案第40号について、地方公務員法第5条第2項の規定に基づき人事委員会の意見を申し述べます。 議案第40号につきましては、本委員会が本年10月に当議会及び知事に対して行いました職員の給与等に関する報告及び勧告の内容に沿って、地域の民間給与との均衡を図るため、本年4月にさかのぼって給料表の引き上げ改定を行うもの等であり、適当であると考えます。    ――――――○―――――― 議案に対する質疑(第33号から第40号まで) ○議長(井手順雄君) 次に、ただいま議題といたしました議案第33号から第40号までに対する質疑を行いますが、ただいままで通告はありません。よって、質疑なしと認めます。    ――――――○―――――― △日程第3 知事提出議案委員会付託(第1号から第40号まで) ○議長(井手順雄君) 次に、日程第3、目下議題となっております議案第1号から第32号までにつきましては、さきに配付の令和元年11月熊本県議会定例会議案各委員会別一覧表のとおり、議案第33号から第40号までにつきましては、さきに配付の同一覧表(追号)のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託して審査することといたします。  〔各委員会別一覧表は付録に掲載〕    ――――――○―――――― △日程第4 請願の委員会付託 ○議長(井手順雄君) 次に、日程第4、今期定例会において受理いたしました請願は、議席に配付の請願文書表のとおりであります。これを所管の常任委員会に付託して審査することといたします。  〔請願文書表は付録に掲載〕    ――――――○―――――― 知事提出議案第41号から第56号まで ○議長(井手順雄君) 次に、お諮りいたします。 知事提出議案第41号から第56号までが提出されましたので、この際、これを日程に追加し、一括して議題といたしたいと思います。これに御異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(井手順雄君) 御異議なしと認めます。よって、知事提出議案第41号から第56号までを日程に追加し、一括して議題とすることに決定いたしました。 知事提出議案第41号から第56号までを一括して議題といたします。  ―――――――――――――――――― 第41号 公害審査会委員の任命について 第42号 公害審査会委員の任命について 第43号 公害審査会委員の任命について 第44号 公害審査会委員の任命について 第45号 公害審査会委員の任命について 第46号 公害審査会委員の任命について 第47号 公害審査会委員の任命について 第48号 公害審査会委員の任命について 第49号 公害審査会委員の任命について 第50号 土地利用審査会委員の任命について 第51号 土地利用審査会委員の任命について 第52号 土地利用審査会委員の任命について 第53号 土地利用審査会委員の任命について 第54号 土地利用審査会委員の任命について 第55号 土地利用審査会委員の任命について 第56号 土地利用審査会委員の任命について  ―――――――――――――――――― ○議長(井手順雄君) お諮りいたします。 ただいま議題といたしました議案第41号から第56号までに対する提出者の説明は省略いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(井手順雄君) 御異議なしと認めます。よって、そのように取り計らうことに決定いたしました。    ――――――○―――――― △日程第5 休会の件 ○議長(井手順雄君) 次に、日程第5、休会の件を議題といたします。 お諮りいたします。 明5日は、各特別委員会開会のため、6日、9日及び10日は、各常任委員会開会のため、11日及び12日は、議事整理のため、それぞれ休会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(井手順雄君) 御異議なしと認めます。よって、明5日、6日及び9日から12日までは休会することに決定いたしました。 なお、7日及び8日は、県の休日のため、休会であります。    ――――――○―――――― ○議長(井手順雄君) 以上で本日の日程は全部終了いたしました。 次の会議は、来る13日午前9時30分から開きます。 日程は、議席に配付の議事日程第5号のとおりといたします。 本日は、これをもって散会いたします。  午後0時13分散会...